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第70話 嫉妬が生んだ“決定的な証拠”

Author: marimo
last update publish date: 2026-03-15 20:12:43

――そして、和真は沙耶を恐れ始める

南條沙耶は、もう引き返せない場所に立っていた。

部屋の明かりを落とし、ノートパソコンの画面だけが、彼女の横顔を照らしている。

表示されているのは、いくつものフォルダ。

「KJプロジェクト」

「裏取引」

「音声加工/最終版」

どれも、本来なら

“使う可能性があるかもしれない”

その程度で、眠らせておくはずのものだった。

だが今の沙耶に、温存という選択肢はなかった。

(全部、奪われた)

玲司の余裕。

綾乃を迎えに行ったという事実。

それだけで、沙耶の中の理性は、音を立てて崩れた。

「……だったら、壊すしかないでしょ」

沙耶は、ヘッドホンを耳に当て、ひとつの音声ファイルを再生する。

――『今回の条件、表には出せないな』

――『帳尻は、別の契約で合わせる』

――『問題にならなければ、それでいい』

九条玲司の声。

低く、落ち着いた、どこにでもある“経営者の会話”。

それ自体は、何の違法性もない。

企業間の、よくある水面下の調整。

だが――

沙耶は、別ウィンドウを開く。

そこには、同じ声質、同じ話速で構成された

“存在しない会話”が並んでいた。

――『資金は、
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